2017年夏、23歳にして初めてよさこいに参加しました。
参加チームは移住地域本山町のチーム、「本山さくら」です。
詳細は、協力隊ブログの方に書きました。
高知出身者ではありながら、これまでよさこいとはほとんど縁のない高知生活でした。
高知にいたのは浪人までの19年間でしたが、チームに参加するどころかチャリンコで行ける距離なのに見に行ったこともほとんどなかった。
浪人時期に、高校の友達とかが出ててそれ見に行ったぐらい。
まあ知ってる人が出てないと見てもなんだかなーってかんじだったし。
暑いし、人は多いし、音はすごいしで。
テレビの中継なんか見ても、よくこんなことするよなーとちょっと白けた感じ。
高知のよさこいってのを、全然知らずに高知を出たわけです。
それが今回参加するってなったのは、大学を卒業して高知に帰ってきて、これから高知で生きていく以上、高知の一大文化であるよさこいを体感しておかなければ!と思ったからでした。
みんながあんなに熱狂するのはなぜなのか。
なにがみんなをあれほど魅了するのか。
肌で実感したいと思ったわけです。
今回実際に参加してみて
やっぱり見るのとやるのでは、
ぜんっぜん!ぜんっっっぜん!!違いました。
なんつう楽しさだよ!よさこい!!
もともとこういうのが好きなタチなんでしょうね。
踊ったりとかも、特に習ってたわけじゃないけど、運動会とかのダンスもけっこう楽しめる人間だったし。
観覧のお客さんに見られながら、ワイワイやるかんじも好きな雰囲気でした。
クソ暑い中、体力限界でもう気合いだけで踊ってる時とかも、山登りのあのドMなかんじとすごい似てて、性に合ってるなという気もして(笑)
ヘトヘトになるまで踊って、お客さんと笑い合って、昼間からビール飲んで(笑)
とにかくすごい体験をしたなーという感想です。
また、「祭り・イベントとしてのよさこい」という点でも素敵なことがたくさん分かりました。
まず一つは、踊り子以外の関わってる人の多さ。
イベントだったら当たり前なのですが、本当にたくさんの人が関わってできているお祭りだなと感じました。
チームスタッフは1年かけて振付や音楽を決めて本祭に持っていきます。夏だけじゃないんですよね。
踊り子のぼくたちにもあれこれ気遣ってくださって、よさこいを楽しめるように様々配慮してくださりました。よさこいにかける熱意、半端ないです。
その他、振付師の先生や地方車に関わった方やフラフ振りの方、救護係りの方やバスの運転手さんも含めて、チーム内には踊り子以外にもたくさんの人が関わってできていました。
また、各チームの地方車にはたくさんの企業の名前が書かれてあるのですが、地元企業の寄付、それからうちの本山さくらでは地元の方々からのたくさんの寄付で出場できているということも知りました。
チーム内だけでなく、運営側にもたくさんのスタッフがいて、誘導などのため警察が動員されていたり、各演舞場での誘導・整理の方々、審査員の方々、給水所の人たちも一日中踊り子に水を与えてくださってるので本当にありがたかったです。
まさに県を上げてのお祭りだなと実感しました。
そして、こうしたたくさんの方々の支えによって自分たちは踊ることができてるんだなと2日間で強く感じました。その分踊りにも力が入るし、楽しく踊ってやろう!って思えました。
2つ目に素敵な点が、県外チームの多さです。
今回調べて知ったのですが、参加チームが200チームも越えているのだそうです!
その中には初回から出場している老舗チームもあれば、今回が初参加のチームもあります。
そして、県外チームもこんなにあるんだ、ということが本当にびっくりしました。
全部で206チームあるのですが、県外チームは62チーム。
四国内では愛媛から11チーム、香川から10チーム
四国外では東京が一番多くて12チーム。
大阪が7チーム、岡山が7チーム、京都、愛知、埼玉、広島、兵庫から2チームずつ、三重、千葉、和歌山、静岡からも1チームずつ。
そしてなんとヨーロッパ連合チームもありました。
高知県内でも144チームもあるというのも驚きですね。
終盤に待機場所が近かったチーム(なるたかさん)の人と話したのですが、東京の社会人チームだそうです。県外チームは学生のチームが多いのかなと思っていたのですが、社会人のチームもあるとは…
高知でよさこいを踊るために、県外で集まって練習をしている様子なんか想像すると、なんだか胸がすごくアツくなります。
県外チームの中には受賞チーム常連のようなところもあって、規模も大きいところは大きいし、このよさこい祭りの影響力というか、広がりの大きさを目の当たりにしました。
そして最後に、踊っていてよさこいすごくいいなーと思った点は、観覧のお客さんの温かさです。
踊ってみて初めて分かったのですが、観覧のお客さんがうちわであおいでくれるんですよね。
それに何より感動しましてね。
こんなクソ暑い中、自分をあおいでくれればいいのに、見ず知らずのぼくなんかをガンバレーってかんじであおいでくれて。
自然と笑みもこぼれますよそりゃ。
最初は恥ずかしかったんですけど、慣れてきてお客さんの方に顔向けるようにしたら、笑い返してくれたり、手拍子してくれたり。
子どもたちは子どもたちでなんか神妙な顔つきで見つめてくるし(笑)
そういった温かい観覧のお客さんに、もっと良い踊り見せたい!と思ってぼくも暑い中頑張れて、そういう一体感に、すごく感動したんですよね。
よさこいにハマる人の気持ち、すごく分かりました。
よさこいってそんなに歴史は深くないんですよね、今回64回目とかで戦後に始まったお祭りです。
でもこれはまさに高知の文化だなと思います。
昼から平気で酒飲んで、全力で踊って汗かいてみんなで笑って。
高知においてよさこい祭りがどれだけ大きな位置を占めているかを実感する2日間でした。
こんな楽しい体験をさせていただき、支えてくださった方々に改めて感謝感謝です!!
メダルもいただきました
おいしんご
※後記
タイトルに使っちゃってるけど、文化や伝統って言葉、使うのはすごく繊細で難しいなと思います。それだけで、高知を代表してしまうという側面はあって。でもよさこいに関しても、過去の自分みたいに全く関わらない高知県民もたくさんいて、むしろこのお祭り騒ぎを疎ましく思ってる人だってきっといて、高知県民=よさこいみたいな印象を与えてしまう可能性があるのは慎重にならないとな思います。県民性という概念は、国(ナショナリズム)という概念と同様に、分かりやすいようにカテゴライズして統制を図るという意味合いも含まれ、多様性を排除しかねない論理に繋がります。例えば「高知県民は○○だ!」と語ったときに、そこに含まれない生をどれだけ想像できているか。忘れずにいようと思っています。