おいしんごがそれっぽく語ってみた

四国の真ん中、高知県本山町の地域おこし協力隊(林業振興活動員)として活動しています。森林のこと、環境のこと、社会のことなど、日々学んだことや考えたこと、感じたことをそれっぽく語っていきます。

マチモノ-街の木を活かすものづくりの会-のご紹介

今日は世田谷美術館で行われていた、「街の木を活かすものづくりの会(マチモノ)」という団体の展覧会に行ってきました。

マチモノを知ったのは、6月頭に東京農業大学で行われた「森林と市民を結ぶ全国の集い」(森づくりフォーラム主催)というイベントでした。

 

このマチモノの活動がとても素晴らしく、また新しく、目から鱗でしたので、今回はそちらを紹介します。

 

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マチモノの紹介文

街の木を活かすものづくりの会(略称マチモノ)では、 街の木をはじめとする身近な自然から得られる恵みを、 様々なものづくりを通じて有効活用する活動をしています。

HP 街の木を活かすものづくりの会(マチモノ)

 

 

「街の木」と聞くと、皆さんどのようなものを思い浮かべるでしょうか?

 

木は森や山だけでなく、実は身の回りにもたくさんあります。

街路樹はもちろんのこと、公園の中や大学など公共施設の敷地内にも大きな木が結構たくさんあります。

街の景観の一部として無意識下にあるかもしれませんが、意識してみると実にたくさんで、それも種類も多様に、あることが分かります。

 

それらの木々は、工事だったり、大きくなりすぎたり、内部が腐って倒れやすくなったりなどの理由から、どこかしこで毎日のように伐られています。

そしてその木はどこに行くかというと、ゴミとして捨てられるか、せいぜいチップとして利用される程度のようです。

 

街の木は、今の林業で使われているようにスギやヒノキだけでなく、色々な種類、木工製品的にも珍しい種類の木が含まれます。

でも、それを有効に使えないのはあまりにももったいない!

そんな想いから、街の木の有効利用を進めているのがマチモノなのです。

 

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マチモノHPより

 

展示会の様子

展示会は写真撮影がOKだったので、展示されていた作品をご紹介します。

小物雑貨から机やいすなどの家具が展示されていました。

どれも「世田谷区」とか「国立市」とか「大田区」とか、都市部産材だったのがとても不思議な感覚でした。

 

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赤みを帯びているのはサクラです。サクラは花が美しいですが、材も非常に美しいです。奥の白いのはイヌシデです。

 

 

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サザンカやカキ、ハナミズキもよく街路樹や公園の垣根で見かける樹種ですね。

カキなんかは特徴的な模様もあって美しいです。

 

 

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ハンガー&ハンガーラックも作られていました。

 

 

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こちらの椅子が個人的には一番のお気に入りで、モチノキを使ったものです。

節がいいかんじの模様となっていて、するっとした白も伸びやかで美しいです。

 

 

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椅子も数種類置かれていました。

やはりサクラ材の光沢感のある赤は美しいです。

これら全部東京にあった木とか、信じられない…(笑) 

 

 

こうしたものづくりはもちろんのこと、上で述べたような街の木の現状を知ってもらう機会として、また都市住民にもっと木と触れ合う機会としての木工ワークショップも行っているそうです。ぜひ参加してみたいものです。

また木工だけでなく、「街の自然の恵みを生かす食のイベント」としてドングリをつかったレシピの紹介なども行っているようです。

 

 

木の有効活用は森に繋がっていく。

このマチモノを初めて知った時ぼくは、その作品に感動しながらも、最初は「でも直接は森づくりには関係ないよなぁ」と少し距離を取って見ていました。

都市にある木を使うだけなら、今問題となっている森林には直接影響するわけじゃないし、人々が森に親しみを持つようになるわけじゃないしなぁと。

なんとなく「住み分け」みたいなかんじ。森林を専門としている人間の傲慢でしょうか。

 

でも、よくよく考えてみると、これも人と森林が繋がるひとつのチャンネルなのではないかと、思い始めました。

 

都市部の人は森林はもちろんのこと、木というものを意識して触れ合う機会がとても少ないと思います。それが木というものから現実的にも気持ち的にも遠ざかっている原因だと思いますし、なにより多くの人は身近に森林というものを感じることさえないかもしれません。

 

でもマチモノのこうした活動は、人々の生活と木というものを少しでも近づけるのに貢献するものだろうと思います。

そこから木のぬくもりや製品の良さを知り、木工製品の利用促進、さらには日本の森林の現状という部分につながっていくかもしれません。

 

いわゆる森林というものになると、都市部の人には地理的にも距離があり、だからこそ気持ち的にも興味がない人には距離がどうしてもできてしまう。

でも、生活のレベルでそこに近づけていくことができれば、だんだんと興味が出てくるかもしれない。

そんな可能性につなげていける、小さいながらも確実なチャンネルになり得るのではないか、と考えるようになりました。

 

 

また、消費者の側だけでなく、このような活動は森の価値を高めることにもなるように感じています。

 

本の森の現状は4割がスギ、ヒノキの人工林で、生産活動が行われている森のほとんどがそうした森林です。

それはそれでいいのですが、生物多様性とか水源涵養(「緑のダム」機能)を考えた時に、広葉樹も生えた多様な樹種の森というのも現在見直されています。

そこに、スギやヒノキだけでない、多様な樹種の材の魅力を発信するツールがあれば、森の木材利用の側面の価値もより高まるように思います。

 

昔は木材も多様な樹種がその材の性質に合うような形で(まさに適材適所)、色々な生活用品として使われていました。

そうした樹種の多様な利用の復権は、木材と森の価値を高めることに、長期的に見ればなるのではないかとも考えます。

 

 

そうした観点から考えても、マチモノの活動はとても面白く、新鮮で先駆的な活動だと感じた次第です。

展示会自体は明日(7/24)までのようですが、これからの活動にも注目しておきたいです。

 

マチモノHP

街の木を活かすものづくりの会(マチモノ)

(詳しい活動はこちらをご覧ください)

Facebook

https://www.facebook.com/Machimono

 

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