正義と悪は、表裏一体だ。
ある人の正しさは、ある人からは悪で。
ある人が正しいと思う発言は、ある人にとっては間違いになる。
ある人の政治批判が、ある人にとっては単なる暴力で。
ある人の称賛は、ある人にとっては理解不能な信仰で。
そんな批判の応酬を、遠くで白けて見る人がいて。
興味を示さない人もいる。
ある人は、そんなことしてないで自分のことをやりなさいと言うし。
ある人は、そんなこと気にしてても何も変わらないと言うし。
批判は否定され、政治は浮き足立ち、霧消していく。
世界はどんどん分断していく。
嘘か真実か分からないどころか、何が正しいのか分からない、そもそも正しいものなんてありはしないような世界で、それぞれがそれぞれの主張をすることで、議論も合意形成も生まないまま、ただただ分断していく。
ある人はある人の主張をバカ呼ばわりし。
ある人はある人の生き方をクズと呼ぶ。
まるで
世の中には悪が満ち溢れているような。
そんな世界でも、明日がやってきて。
腹は減るしから物を食わなきゃならないし。
生きてかなきゃならないし。
そして、幸せになることを強要される。
悲鳴が充満したこの世界で、耳をふさがずに幸せになることができるだろうか。
耳をふさぐことが、賢い生き方なんだろうか。
森は、いつでも優しい。
ただそこに、ジッといるだけ。
ぼくのことを褒めもせず、肯定もせず、否定もせず
ただただ受け止めてくれる。
雨の日には雨を受け、晴れの日には太陽を仰ぎ、風の日には風に揺らされる。
ひたすらに、謙虚な存在。
その優しさに、本当に救われている。
世の中の満ち溢れた正しさと悪に苛みながら、その中に少しだけある喜びと感動に心動かされて
ぼくはまだ、進むべき道を見いだせていない。