おいしんごがそれっぽく語ってみた

四国の真ん中、高知県本山町の役場で林業担当をしています。森林のこと、環境のこと、社会のことなど、日々学んだことや考えたこと、感じたことをそれっぽく語っていきます。

厭世的な夜に

 

正義と悪は、表裏一体だ。
ある人の正しさは、ある人からは悪で。
ある人が正しいと思う発言は、ある人にとっては間違いになる。

 

ある人の政治批判が、ある人にとっては単なる暴力で。
ある人の称賛は、ある人にとっては理解不能な信仰で。

 

そんな批判の応酬を、遠くで白けて見る人がいて。
興味を示さない人もいる。

ある人は、そんなことしてないで自分のことをやりなさいと言うし。
ある人は、そんなこと気にしてても何も変わらないと言うし。
批判は否定され、政治は浮き足立ち、霧消していく。

 

世界はどんどん分断していく。

 

嘘か真実か分からないどころか、何が正しいのか分からない、そもそも正しいものなんてありはしないような世界で、それぞれがそれぞれの主張をすることで、議論も合意形成も生まないまま、ただただ分断していく。


ある人はある人の主張をバカ呼ばわりし。
ある人はある人の生き方をクズと呼ぶ。

 

まるで
世の中には悪が満ち溢れているような。

 

そんな世界でも、明日がやってきて。
腹は減るしから物を食わなきゃならないし。
生きてかなきゃならないし。

 

そして、幸せになることを強要される。

 

悲鳴が充満したこの世界で、耳をふさがずに幸せになることができるだろうか。
耳をふさぐことが、賢い生き方なんだろうか。

 

 


森は、いつでも優しい。
ただそこに、ジッといるだけ。
ぼくのことを褒めもせず、肯定もせず、否定もせず
ただただ受け止めてくれる。

雨の日には雨を受け、晴れの日には太陽を仰ぎ、風の日には風に揺らされる。
ひたすらに、謙虚な存在。

その優しさに、本当に救われている。


世の中の満ち溢れた正しさと悪に苛みながら、その中に少しだけある喜びと感動に心動かされて


ぼくはまだ、進むべき道を見いだせていない。